KAL007 謎の逸脱ルート検証

 

 FS2002 による逸脱コースのシミュレーション

FS2002 フライトシミュレーターの GPS 機能を用いて、逸脱コースのリアルなシミュレーションをしてみませんか!

FS2002Home.zip ファイルをダウンロードし解凍しますと、KE007.FSR ファイルと KE007.PLN ファイルが展開しますので、この二つのファイルを FS2002 のホルダー MYFLTS にいれます。
ホルダー MYFLTS はエクスプローラーより FS2002 ⇒ FLIGHTS ⇒ MYFLTS にてアクセス出来ます。 

ダウンロード FS2002Home.zip サイズ1.8 MB

1.FS2002 を立ち上げます。
2.フライトを選択しフライトプランナーを選択します。
3.フライトプランナー画面の"読み込み"をクリックし、ファイル名 "KE007.PLN" を選択し OK をクリックします。
4.フライトの画面に戻りますので、機体を B737-400 を選びます。
5.機体をセットしますと再びフライトの画面になりますので、画面右下の "フライト" をクリックしてください。
  B737-400 がアンカレッジ空港のランウェー32にセットされています。
6.GPSを表示させるとアンカレッジからの逸脱ルートが右側に、又正規の正しいルートが左側に表示されます。
7.B737 の計器をセットします。
  NAV-1     114.30 ANCHORAGE VOR/DME(ANC)
  ADF       338.0  CAMBELL LAKE NDB(ANC)
  COURSE    246    ANC VOR 246 J501 ルート(このVORは当時休止状態で用出来なかった)
  HDG       220    離陸後タワーより指示された機首方位
  ALTITUDE  31000  タワーより許可された高度  
  FLAP  5      セット
8.オプション ⇒ フライトビデオ ⇒ KE007 ⇒ 再生 にてフライトビデオがスタートします。
  滑走を始めたら時計をれセットして下さい。
  滑走を始めてから約1分12秒後にタワーより機首方位220度、31000 フィートの許可があり、左旋回を始め
  機首が220度になります。
  以降レーダーで捉えられているコースを飛行します。
  フラップの上げ操作はお願いします。
9.フライトビデオが終了した後は、継続して飛行可能ですのでGPSモードにて逸脱ルートを飛行出来ます。
  カイルン山の VOR/DME (SQA) 117.20 , CAIRN NDB 281.0 , ベセルの BETHL(BET) VOR/DME 114.10 をセットして検証してみて下さい。

FS2002 フライトシミュレーターでの検証。 

1.アンカレッジ離陸後、INS 航法を始める(トラック・チェンジの位置)までの機首磁方位は 245度、又は246度を指示しアンカレッジNDB上の       ルート9 と一致します、つまり この時点での飛行は、INS コースが G-9 ルートと一致しないことから、 INS 精度を確認するためにヘディング・モ   ードにて NDB を用いて G-9 ルートを飛行した事が検証出来ます。
2.トラックチェンジ位置(INS航法を始めたポイント)からはエラーのあるINS誘導となり正規ルートより徐々に 北方にずれ始めるため機首方位は   247度又は248度となりベセルに向かいました。
3.カイルンVORの北を飛行しますが(正規ルートはカイルン上にある)カイルンVOR真横を通過時の、カイルン  VORのDMEは6.4ノーチカルマイ  ルとなりました、このDME 6.4 の数字は飛行高度を考慮するとレーダー航跡と一致します。
4.カイルンを通過後の機首方位は245度又は246度の範囲を指示してベセルに向かい、正規のコースを北方に逸脱している 為ベセルVORの北を  通過しますが、ベセルVOR真横でのベセルDMEは 13.8 ノーチカルマイルを指示しました、  この数字も飛行高度を考慮するとレーダー航跡の  北方へ 12 ノーチカルマイルのずれと一致しました。
5.ベセルVOR真横を通過後、約50秒後にベセル・ウェーポイントに到達(対地速度482ノット、高度31000フィート) この時のベセルDMEは16.1ノー  チカルマイルを指示、この数字は計算結果と同じになりました、
6.ベセル通過後はナビーに向う為少し左に機首を変更し機首方位は242度又は243度の間を指示しました。 

前述したようにベセルでの位置確認は非常に重要です、このシミュレーションでは正規のベセルに対し、逸脱のベセルは時間にして約50秒遅く
DMEでは16.1ノーチカルマイル離れていますが、KE007 はこのデーターを、ベセル以降の洋上飛行に対しINSの精度は問題ないと判断した事になります。
もしもこのデーターから、ベセル以降の洋上飛行に対しINS航法は問題が有ると判断し、アンカレッジに戻る決断をしたならば、事故は防げた事になります、しかし はたして、このデーターは絶対にベセル以降の洋上飛行を断念しアンカレッジへ戻るべきと決断出来るデーターなのでしょうか?
逸脱したルートのベセルは正規のベセルから、時間にして、わずか50秒程度の差でしかありません。
飛行を継続すると判断するか、飛行を断念し引き返すか? ・・・ 
パイロットとして貴重な経験をお持ちの方より、ご意見を伺う事ができれば幸いです。

逸脱コースを FS2002 フライトシミュレーターにて検証しました
離陸して2分過ぎにINSの最初のルートであるJ501ルートを飛行する為に右に機首を変更したが、このINSのコースは既に北方へずれている為、
ADFの指示が約255度を表示しており、246 度の G9 ルート上でない事が検証出来る、又HSI計器のコース・デビエーション・バーが左にずれていることからJ501ルートからも外れている事が分かる、(当時このアンカレッジ VOR は停止中であったので、VOR での確認は出来ず、 NDB を用いて G-9 コースにて INS の精度を確認したと考えられます。)    

ADF246 度のG9ルートを飛行した後、INS精度の航法に問題なしと判断し、INSを現在地点からベセルに変更し自動操縦をINSモードにセット、以降INSの逸脱コースを飛行し、カイルンの VOR/DME (CRN)は DME 7 を表示し、カイルンの北7ノーチカルマイルを飛行した。

INS逸脱コースを飛行し、ベセルの VOR/DME 北方を DME 13.8 で通過、レーダー航跡は 12 マイルですが、飛行高度 31000 フィートを考慮するとレーダー航跡と一致します。
その後約50秒後にベセル ウェーポイントに到達します。